世界7カ国(イギリス、アイルランド、カナダ、アメリカ、UAE、南アフリカ、マルタ)で25校の語学学校を展開していた大手「EC English Language Centres」が、2026年9月14日付で全校を閉鎖し、英語教育および事業を即時停止すると発表しました。
創業35年の歴史を持つ業界のパイオニアの突然の破綻は、世界の語学留学業界に大きな衝撃を与えています。
【カナダ現地速報】EC English閉鎖、カナダ国内の生徒救済へ――Languages Canadaが動く
世界的な語学学校チェーン「EC English」の突然の全校閉鎖を受け、カナダの業界団体「Languages Canada」は迅速な学生救済措置を発表しました。
トロント校、バンクーバー校、そして9月末に閉鎖が予定されていたモントリオール校に通う生徒たちに対し、同団体は授業の継続とプレイスメント(転校先の手配)を全面的にサポートする方針を固めています。
カナダ国内での影響と救済の優先順位
カナダ国内では、現在以下の生徒たちが影響を受けています。
トロント校・バンクーバー校:約375人の生徒が在籍。
モントリオール校:約40人の生徒が在籍(※元々9月末での閉鎖が予定されていました)。
Languages Canadaの最優先事項は、「今後2週間以内にコースが終了する予定だった生徒たち」です。元のプログラムができる限り中断されないよう、最優先で代替校への手配が進められています。その後、数日をかけて現在在籍中の残りの生徒や、今後カナダでの受講を控えていた生徒たちのプレイスメントも順次進められます。
安心のセーフティネット:「eCAP」と保険の継続
カナダならではの強みとして、Languages Canadaの品質保証枠組み(教育完了保証プラン:eCAP)が機能しています。これにより、生徒の授業料は保護されており、他の認定会員校での類似プログラムへの配置を通じて確実に守られます。
また、留学保険を提供するguard.me社からも、EC Englishでの就学に関連して加入していた生徒に対し、保険が継続して適用されることが確認されています。
加盟校による迅速なサポートの輪
発表後、カナダ国内のLanguages Canada加盟校からは即座に大きな支援の手が差し伸べられました。すでに25以上の会員校が displaced(行き場を失った)ECの生徒を受け入れる意向を示しており、さらに多くのオファーが寄せられています。これにより、生徒一人ひとりのニーズに合わせたスムーズな移行が可能となっています。
関係者(生徒・エージェント)への案内
影響を受けている生徒や留学エージェントに向けて、Languages Canadaは専用の問い合わせ窓口(メールボックス)を設置しています。多数の問い合わせが予想されるため、プレイスメントは優先順位に従って順次対応されます。
業界にとっての試練とこれからの展望
Languages Canadaは声明の中で、「コロナ禍の深刻な打撃に加え、世界の主要な留学先国における政治的・政策的環境が、国際教育や文化交流の理念と矛盾する方向に進んでいる」と指摘しています。
35年の歴史を持つEC Englishのような大手が幕を下ろすことは非常に悲しいニュースですが、Languages Canadaはカナダの語学教育セクターの安定と成長を取り戻すための政策提言を続けるとともに、当面の最優先課題として「影響を受けたすべての生徒をスムーズに新しいプログラムへ移行させること」に全力を注いでいます。
突然の閉校発表と現在の状況
CEOのアンドリュー・マンギョン(Andrew Mangion)氏は、パートナー企業やエージェント宛ての書簡で「このような非常に困難で失望を伴うニュースをお伝えすることになり、誠に申し訳ない」と陳謝。「追加投資の確保に失敗し、困難な経営環境が続いた結果、正式な破産手続( insolvency)を開始せざるを得転換点に至った」と説明しています。
先週の段階ですでに「今週受講開始予定の生徒の受け入れができない」との通知が出されていましたが、まさか全校閉鎖という事態に発展するとは関係者も予想していませんでした。
現在、世界中で4万人以上の生徒に影響が出ており、各国の業界団体や競合校が急きょ救済に動き出しています。
各国での影響と救済措置
突然の閉校を受け、各国で生徒の救済と受け入れ調整が急ピッチで進められています。
カナダ:カナダ国内のEC(トロント、バンクーバー)には約375人の生徒が在籍。業界団体「Languages Canada」の執行役員ゴンサロ・ペラルタ(Gonzalo Peralta)氏によると、25以上の加盟校が代替受入れを申し出ており、修了間近の生徒を優先してプログラムを引き継ぐ調整が進められています。
イギリス:業界団体「English UK」が直ちに生徒サポートの調整を開始。追加費用なしでの他校へのプログラム継続や、緊急の宿泊支援などをコーディネートしています。
南アフリカ:南アフリカの英語教育機関(ESA)も、アベニュー・イングリッシュやLAL、IHケープタウンなどの加盟校と連携し、転校や学習継続のサポートを急ピッチで進めています。
宿泊施設について:ECが提供する宿泊施設に滞在中の生徒に対しては、帰国や今後の移動手配が整うまでの間、9月19日まで宿泊とサポートが継続される予定です。
浮き彫りになるグローバルELT(英語教育)セクターの構造変化
今回の破綻は、個別の企業の失敗に留まらず、パンデミック以降の英語教育(ELT)セクター全体が抱える構造的な危機を浮き彫りにしています。
コロナ禍の大打撃に加え、主要な留学先国における政治情勢やビザ・移民政策の厳格化が重なり、生徒数の低迷が常態化していました。専門家からは、今回の低迷は一過性のものではなく、業界の構造そのものが変容している兆候であるとの指摘がなされています。
35年にわたり、世界中から年間最大5万人の生徒(ピーク時2019年)を受け入れ、文化交流のハブとなってきたEC Englishの退場は、世界の語学留学マーケットにとって歴史的な転換点となりそうです。
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